<エフオーアイ>三重審査すり抜け 売上高60倍に(毎日新聞)

 東証マザーズ上場のため売上高を水増しし、7カ月という過去最短での上場廃止が決まった半導体製造装置メーカー「エフオーアイ」(相模原市)の粉飾疑惑は、上場審査時の「三重のチェック」をすり抜けていたことがわかり、関係者に衝撃が広がっている。09年11月の上場に向けた09年3月期売上高約118億円のうち実際の売上高はわずか2億円程度で、粉飾割合は「前代未聞」(証券取引等監視委員会)。専門家からは上場審査制度の検証を求める声も上がった。【松谷譲二】

 「信じられない。ほとんど(売り上げの)実態がないのに、なぜ審査をすり抜けられたのか」。12日、エフ社が金融商品取引法違反(有価証券届け出書の虚偽記載)の疑いで監視委の強制調査を受け粉飾規模が明らかになると、大手証券会社の証券マンは驚いた。

 エフ社は上場申請書類に虚偽の決算情報を記載したことを認める声明を出し、21日には東京地裁に破産手続きを申請。負債総額は92億8800万円に上る。東証では、上場審査時の粉飾決算は過去に例がない。

 東証の場合、上場先は1部、2部、新興企業向けのマザーズの3段階。上位になるほど、求められる株主の見込み数や時価総額などのレベルが上がる。非上場企業が上場する際は、監査法人か複数の公認会計士の審査を受ける。並行し、上場の際に主幹事を務める証券会社のチェックも入る。売上高などを記載した財務諸表、取引先などを記載した有価証券届け出書に虚偽がないか、経営管理体制はどうか、暴力団とのつながりがないかなど、細かく調べられる。最後に、東証が同様の基準で審査し、三重のチェックが完了する。

 エフ社は複数の公認会計士がチェックしたが、大手証券関係者は「監査法人に依頼する企業がほとんど。個人に頼むのはまれで警戒すべき事案」と話す。一方、別の市場関係者は「今回は会計士がだまされた」と指摘する。

 ◇偽の取引先紹介

 実際、エフ社は取引先を確認しようとした会計士に対し、海外で偽の取引先を紹介していたとされる。エフ社はこうした偽の取引先を複数使い、架空の仕入れ先に代金を振り込み、別の架空の売却先から受注したように装って売買契約書を偽造、代金を還流させる形で入金させ、架空の売上高を計上していた疑いが持たれている。

 ある大手監査法人の会計士は「会社ぐるみで粉飾し、取引先とも結託していれば見抜くのは困難」と言う。一方で「売上代金が取引先から2年後に納められることになっているうえ、製品が半導体業界であまり出回っていないなど不審点も多く、不正を見抜けないのは甘い」(市場関係者)との指摘もある。東証や証券会社関係者は「財務諸表のチェックは会計士に事実上一任しており、再チェックは難しい」と弁明。三重のチェックが機能していなかった実態がのぞく。東証は上場審査体制の見直しを検討する方針だ。

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